指掌療法について
指圧は東洋医学的思想の治療法
指圧は古来のあんま法から発展した経験療術で、アメリカの各種療術(カイロプラクティック、オステオパシーなど)の長所や、精神療法などを集大成した物心両面の総合的手当て法です。
指圧は経脈(気血がめぐるルート)と経穴(ツボ)を重要視する東洋医学的思想を持つ治療法で、経脈の気穴の過不足を整え、病を癒し、または健康増進をはかるものです。
それを現代医学に当てはめると、指圧は脊椎の異常を正し、筋肉のコリをほぐし、自律神経や内分泌ホルモンの働きを調和し、新陳代謝と血液循環を良くする家庭でできる治病、保険、美容法なのです。
痛みを和らげる手のひら療法
私たちは、生まれながらにして自分の身を守る天与の防衛の術を知っています。
つまり痛いところ、苦しいところに知らず知らずのうちに手を当てています。
また悩み事や心配事で思案にふけるとき、いつの間にか腕組みをしたり、胸に手を当てたりしています。
すると不思議に気持ちも落ち着き、冷静になって良い解決策や知恵が湧いてくるものです。
あんま法は体の中心から手足に
按(もみ、叩く)摩(さする)法は、体の中心から手足の末端に向かう遠心性の手技方法で、
●筋肉のコリをほぐし、
●関節のこわばりを除き、
●血行を良くし、
●神経の興奮を鎮静させます。
マッサージは手足の末端から中心へ
フランスから伝承され、按摩法とは逆に手足の末端から体の中心に向かい揉みさする求心性の手技療法です。
静脈血やリンパ液の還流を促し、筋肉の萎縮を防ぎ、知覚、運動麻痺の回復など、現代の医療面でもリハビリテーションや補助療法として活用されています。
アルントシュルツの法則では4段階の強さがある
指圧やマッサージは、症状やタイミングによって力の強弱を加減します。
これは体に与える刺激とそれに対応する生体反応との関連を法則としてまとめた「アルントシュルツの法則」に基づくものです。
この「アルントシュルツの法則」は簡単にまとめると次の4つに大別されます。
1.弱い刺激は生体機能を鼓舞する(目覚めさせる)
2.中程度の刺激は生体機能を昂進する(高める)
3.強い刺激は生体機能を抑制する
4.更に強い刺激(最強度)は生体機能を静止させる
知識や経験が浅い人はかなり強い力でツボを押したりマッサージする傾向がありますが、マッサージする患部の疲労やコリが大きい場合や、刺激に弱い箇所の場合、強い刺激が逆効果になってしまうこともあります。(もみ返しやケガなど)
術者は正しい知識と思いやりの心を持って丁寧な施術を。
受者は信用と感謝の気持ちを持ち、脱力して受けると効果が高いです。
(信用や感謝、リラックスができないマッサージや指圧は受けないようにしましょう。体を痛めます。)
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